☆矢沢永吉☆E’

01.スタイナー(Introduction)

02.逃亡者

03.あの夜…

04.O.Oh

05.FADE AWAY

06.LONG DISTANCE DALL

07.BALL AND CHAIN

08.棕櫚の影に

09.罪なデマ

10.GOOD LUCK!!

11.回転扉(ドア)


プロデュース アンドリュー・ゴールド&矢沢永吉

作曲 ミッチェル・フルーム 01

           矢沢永吉 02~11

作詞 西岡恭蔵 02.04.05.06.08.10

   ちあき哲也  03.07.09.11


歴代のアルバムの中でも最も洗練されたサウンドが楽しめる最高傑作

もし1枚だけ、矢沢永吉のスタジオ・アルバムで万人にオススメ出来る音源は何か?と問われたら、自分は迷わず、この【E’】を選びます。

あぁ、若い人や御新規さんの為に軽く補足しておくと、アルバム・タイトルは「イーダッシュ」と読みます。

先ず、全てシングルカットに使えそうな、或いはライヴでも全曲セトリに加えても良いであろう、捨て曲無しの楽曲揃いに加え、見出しにも書いた通り、歴代のアルバムの中でも最も洗練されたサウンドに仕上げられた本作は正に最高傑作と呼ぶに相応しい名盤と成っています。

その、サウンド・メイキングで重要な役割を果たしているのが今回、共同プロデューサーとして名を連ねているアンドリュー・ゴールドと

Andrew Maurice Gold

スタイナーを作曲、提供したミッチェル・フルームで

Mitchell Froom

ここで少し脱線してМ・フルームについて少し触れておきたいのだけれども

この人は、あのロニー・モントローズが結成していたバンド、Gammaのサポート・ミュージシャン等を経て

Gamma

後に、クラウデッド・ハウスのヒット曲♪Don’t Dream It’s Overのプロデュースを手掛けた事で

ロス・ロボスやスザンヌ・ヴェガ、ポール・マッカートニー等とも関わる大物プロデューサーとなる人物で、永ちゃんの次回作でも多大な貢献をしてくれております。

尚、A・ゴールドに関しては書くべき事が多過ぎる為、別記事にしましたのでソチラもヨロシク☆


話を戻しますと

永ちゃんのヴォーカルは、このアルバムで「2度目の」完成に至ったと個人的には思っており、ワーナー時代特有の(厳密には渡米後の)明るいサウンドにはソニー時代に培ったVoスタイルが合わない事のジレンマが、前作迄は多少なりとも伺えたのが、本作には、その様な「迷い」の様な物は一切無く、永ちゃん自身、この頃に何かの手応えを感じたのか、その歌声からは「余裕」「貫録」の様な物が溢れています。

またサウンド面も練りに練って制作されたのがよく判るアレンジで、ゴージャスではあるけど派手過ぎず、各パートの存在感が完璧な程に絶妙で聴き応え抜群な辺りも、この作品を最高傑作と推す所以で、80年代特有のシンセ・サウンドや当時は最新鋭だったコンピューター・サウンドに要所要所で聴こえるエレドラ(電子ドラム)の音に時代を感じる事が出来るので、その点にも拘って聴いたら一味違う楽しみ方が出来るでしょう。


それから余談ですが

このアルバムは初回プレスのリリース当初は赤、青、緑と色違いのジャケットが用意されて封を開けるまでは何色のジャケなのか判らない仕様だったそうです。

もう一つ、10.の♪GOOD LUCK!!ではレコーディング中にスタジオに乱入してきた犬の鳴き声が聴こえるという逸話があって、最新のリマスターでも、その鳴き声は削除されず残されているので、チェックしてみては如何でしょうか(笑)


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