1.テレフォン
2.涙のラブレター
3.レイニー・ウェイ
4.夕立ち
5.Good by
6.Hey Diana
7.絹のドレス
8.Rolling Night
9.So Long
プロデュース 矢沢永吉
作曲 矢沢永吉
作詞 相沢行夫 1.3
木原敏雄 2.6
西岡恭蔵 4.8.9
ちあき哲也 5
山川啓介 7
編曲 佐藤準 9
初期のYAZAWAスタイルの集大成
ワーナーパイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)移籍第一弾アルバムである本作だが、その中身はソニー時代に培ったスタイルの総決算とも言える初期の矢沢永吉の集大成その物である。
先ず永ちゃんのヴォーカル・スタイルは、このアルバムで一応、本当の意味で完成に至ったと言って良いであろう。
まだ、若さ故の粗削りな部分は残っているが(この頃の永ちゃんはアラサーだから当然なのだが)永ちゃん特有の極上のバーボンの様にガツン!と来るもリスナーを酔わせる歌声と表現力は、キャリア50年を重ねた現在の永ちゃんの唄に通じる物を今、聴いても強く感じられる。
何より、その粗削りな部分が程良いアクセントにも成っており、この時代のYAZAWAを結果的に表現しているとも言える。
そして、本作でもバックバンドが非常に良い仕事をしており、前作の様なスリリングさは成りを潜めたものの要所要所で存在感を存分に発揮しては永ちゃんのヴォーカルと見事にマッチして聴き応え抜群のアンサンブルを展開してくれている。
それからアレンジも、聴いた当初は正直、物足りなさを感じたが、聴き込んでいく内に、寧ろ、これ位が丁度良いと思える程、バランスの良い仕上がりになっており、このライヴ感が、同時代の永ちゃんの最大の魅力と言って良いのではないだろうか。
安易な売れ線に走らず、ゴージャスにデコレートする様な子供騙しで注目を集める様な事もせず、あくまで唄とサウンドで直球勝負してくる辺りに永ちゃんの信念を感じる渾身の力作である。
因みにアルバム・タイトルの「KAVACH(カバチ)」とは広島弁で「”能書き、たれるな」という意味らしい。
ファンのマストアイテム度 5
一般的オススメ度 4
個人的評価 5+α
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